リハビリの考え方
リハビリテーション科からのご挨拶
みなさんこんにちは。むらた整形外科のリハビリスタッフです。
当院のリハビリテーション科は、病態・病期に即した的確なリハビリテーションをモットーにしています。リハビリを受けていただくにあたりはじめての方は不安もあると思います。少しでも安心して頂けるように当院のリハビリテーションはどういった考え方のもと行っているのかを以下のページでお伝えさせていただきたいと思います。
リハビリテーションにあたり疑問に思う事、不安な事などあればいつでも何でもご相談ください。

的確で適切なリハビリテーションのために

まず最も重要なのは医師の診断になります。怪我の仕方や体に感じる症状によって「どこの部分(肩・腰・膝など)のどの組織(骨・靭帯・腱・神経など)が損傷をおったか?」(損傷した場所を患部といいます) 「それはどの程度の損傷か?(骨折であれば完全に折れたかヒビか、靭帯では完全に切れたか少し切れたか、痛みの原因は筋肉・靭 帯・神経のどれかなど)」などが医師から理学療法士・作業療法士に伝えられます。
当院では正確な診断のために必要なレントゲン、CT、MRI検査の全てを受けることができます。また、神経伝導速度検査によって末梢神経の障害を、エコー検査によって静止画のみでは判断できない動きの中での障害も正確に診察します。神経伝導速度検査においては整形外科クリニックで測定する病院は少ないですが、末梢神経の評価において重要な所見をとることができます。整骨院・整体と異なり外から体を診ての評価のみでなく、整形外科では外と内を精密に検査することにより正確な診断を得る事ができます。
リハビリテーションにおいて、まず第一にこの正確な情報が大事になります。この点がずれてしまうと誤ったリハビリプログラムを組む可能性がありリスクを伴います。正確な診断はリハビリをスムーズに行う上で非常に重要です。
また、経過を追わなければ判断できない難しい疾患であっても医師とリハビリが密に連絡をとることにより患者様1人1人の病態把握と治療経過の把握を行なっています。リハビリでは正確な診断をもとに、問題となる場所へ悪影響を与える体の動き、姿勢、身体機能を運動学に基づき分析していきます。診察とその後のリハビリフォローにより、より適切な医療の提供を行います。みなさんのお身体をより良い方向にもっていくための的確で適切なリハビリテーションを提供していきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
リハビリテーションでは外傷後の保存療法・慢性疾患(変形性関節症、慢性腰痛など)のリハビリテーション・手術後のリハビリテーション・スポーツリハビリテーションなど(まだまだ種類はあります)で重きを置くポイントが異なります。
安心してリハビリを受けていただくために、ここでは少しその点の考え方をお話しさせていただきます。

外傷後のリハビリテーション

どの部位のどの組織の障害で現状どのような状態かが診察によって理学療法士・作業療法士に医師から伝えられます。その情報をもとにリハビリを行うのですが、外傷後のポイントは体とは関係がない外力が傷をおわせる原因になるということです。
いわゆる体は健康で問題なくても不慮の事故で怪我をおうこともあります。
転倒をしやすい体や姿勢が大きく変化して少しの外力で体に傷をおいやすい場合は慢性疾患(変形など)の考え方も取り入れてリハビリテーションプログラムを組む必要がありますが、まず外傷メインで話していきます。
体の一部のある組織が怪我をした場合、人間には時間をかけて自己で体を修復する機能が備わっています。まずはその怪我した組織の自然治癒を邪魔しない事が重要です。途中でその部位を過度に動かしたり押したりすると怪我をひろげる原因にもなり、正しい組織に修復しようとする体の反応をだめにしたり遅延させたりしてしまいます。ですのでまず患部(例えば腰の関節など)を無理に動かさず安静にすることが最重要になります。
ここではお体の状態・私生活や仕事などのライフスタイルに合わせた患部の守り方をしっかりお伝えさせて頂きます。
中には内科疾患をもたれていて傷の治りに時間がかかるだろうと予測しお伝えする事もあります。しかし、湿布や薬、日常のアドバイスのみで安静を保つだけでは対応として心許ない場合もあります。怪我の部分が治癒するまでの期間に、健康な部分の関節が硬くなったり、まわりの筋肉が弱まったり、体の動かし方を忘れたりしてしまいます。この状態では再度別の怪我を起こしてしまう確率も上がり、体が弱る事による別の症状もでやすくなります。この点をふまえると患部に痛みをださないように周りの組織を動かしたり、トレーニングを行ったりする必要がでてきます。ポイントは患部に痛みを出さないことです。
この方法を個人に合わせてアプローチ、アドバイスさせていただきます。最後に怪我の治り具合に合わせて患部のトレーニングをはじめていきます。元の体の機能を取り戻すためにはこの点も非常に重要です。病期に合わせた適切なリハビリテーションが大事になります。
外傷後のリハビリテーション

慢性疾患(変性・変形・慢性痛など)のリハビリテーション

慢性疾患では外傷とは異なり、長い年月をかけてストレスを蓄積し症状がでたということになります。例えば元々腰の筋肉が弱く反り腰になり腰の関節が徐々に壊れてきて痛みをだしたといった感じです。この場合はストレスの蓄積で軽微な損傷を繰り返し変性にいたるわけですので、ただ安静にして自然治癒で傷の治りを待つでは根本的な改善には至りません。
もちろん症状が重い場合は初期対応として外傷と同様に安静も重要になります。まず蓄積された怪我を治すということです。しかし、なぜ腰にストレスがかかりやすいのか?その原因を体の硬さや筋肉の強さ、姿勢、ライフスタイルを含め評価していく方が重要で、その過程が根本の治療に繋がります。
日々のライフスタイルや姿勢・体の使い方を修正し可能な限り患部へのストレスを排除していきます。ですので評価はより全身的に診る比重がおおきくなり、リハビリにかかる期間も比較的長くなります。すぐに対応できる問題をおさえつつ、長い時間をかけて変化した体を徐々に良い方向に誘導する作業といったイメージになります。
変形・変性が重度な場合、手術なく魔法のようにもとにもどす事は難しい事もあります。しかし、重度であっても患部にかかるストレスを弱めたり逃したりと上手く付き合うことで現状より痛みを弱めたり他の問題を解決することは必ずできます。
早急な症状の改善を目指しつつ、状態によっては長い目ももち適切なリハビリテーションの提供を行う必要があります。
慢性疾患(変性・変形・慢性痛など)のリハビリテーション

手術後のリハビリテーション

手術後のリハビリも外傷後のリハビリの過程に非常によく似ています。異なる点はリハビリをする上で手術に対する知識が必ず必要になるということです。
例えば指を動かす腱が切れたとします。完全に切れた腱は縫わなければ治らないのですが、どのように患部を開いて・どの縫い方で・何回縫ったか・その結果腱の緊張はどのくらいか・合併症はあるか など、手術の仕方や結果によって実施していくリハビリの内容・方法・スピード感が異なってきます。これを考えるとリハビリスタッフであっても様々な手術に対する知識が必須になります。
知識だけでなく経験値も大事です。この手術の後はこのような状態に陥りやすいなどの予測が大事であり、経験則から起きてくる問題を予防するという点も重要です。手術後に体におこる反応は様々ありますが、起きてしまってからの対応より予防しておく方が結果が良くきついリハビリを避ける事ができます。そのため、術後のリハビリテーションは手術してから早い段階の方がより重要になります。ですのでリハビリテーション頻度は必然的に術後早期は多くなりますが大事な事です。状態良く術後中期〜後期を迎えられるようスタッフが対応させて頂きます。
手術後のリハビリテーション

スポーツリハビリテーション

スポーツリハビリテーションではスポーツ外傷かスポーツ障害かで対応が異なります。
スポーツ外傷とはスポーツ中のアクシデントなどにより急に怪我を負うこと、スポーツ障害とは競技動作の繰り返しにより生じることです。スポーツ外傷では外傷後のリハビリテーションの考え方が適応され、スポーツ障害では慢性疾患のリハビリテーションの考え方が適応されます。それぞれ上記の文章をご確認ください。
特殊な点は、競技特性や競技レベルが大きく関わってくるということです。スポーツの種類は豊富であり、それぞれに特徴的な動作や重要な身体機能があります。身体機能で普段聞き慣れている言葉としてはフィジカル、アジリティーなどがあると思います。元通りの体にもっていくという点は他のリハビリと同じですが、回復した状態が良いパフォーマンスを出せるかも考えての対応が特に重要になります。また、怪我をおって治りきれていない状態での競技復帰の可能性もあり、その際にはテーピングや可能な固定方法、動作の注意点などのアドバイスもリハビリでは行います。
スポーツリハビリテーションについて
その他色々な疾患に対するリハビリテーションもございます。いくつかのリハビリテーションの考え方についてご説明させて頂きましたが患者様それぞれで異なる対応も必要になります。個人に合わせた的確で適切なリハビリテーションを提供いたします。ご不明な点、不安な事などあればいつでもご相談ください。