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手のスプリント療法(装具療法)

整形外科疾患に対するリハビリでは、運動療法・物理療法があります☝️

 

当院では加えて個別に患者さんの疾患や病態に合わせたスプリント療法(装具療法)も行なっています😊

 

一般的に装具療法といえば”固定・安静による治療”のイメージが強いと思いますが、場合によってはリハビリで行う運動療法の一部として用いる事ができます。

また、骨折や靭帯損傷後の固定に用いる際にも、個別に作成する為日常生活も送りやすく、損傷部以外の関節の硬さ(拘縮)を招きにくくなります

 

それぞれの疾患・病態に合わせて、適切に導入する事で高い効果を得る事ができます🤗

 

【安静・支持目的】

橈骨遠位端骨折 ➡️ カックアップスプリント

ポイント ⇨ 

手関節のみ固定します。基本的には過度な力を避ければ母指~小指まで全て使用できます。

 

母指CM関節症 ➡️ ガントレットサムスパイカスプリント

ポイント ⇨ 

母指の根本の関節(CM関節)を固定します。個々の手に合わせて作成するため痛みを抑えやすく、固定範囲も少なくすみます。

 

基節骨骨折 ➡️ ナックルスプリント

ポイント ⇨ 

折れた基節骨がずれないように指の根本の関節は固定しますが、1番目(DIP関節)と2番目(PIP関節)の関節は動かす事ができます。早期からの運動が可能になる事で指骨折の合併症で生じやすい腱癒着(腱がひっついて動かなくなる事)を予防できます。

 

舟状骨骨折 ➡️ サムスパイカスプリント

ポイント ⇨ 

手首と母指の根本の関節まで固定します。

 

マレットフィンガー(槌指) ➡️ DIP伸展固定スプリント

ポイント ⇨ 

指を伸ばす腱(伸筋腱・終止腱)が損傷している為、指先端の関節は伸ばした状態で固定しますが、2番目の関節(PIP関節)は動かす事ができます。

 

 

【矯正目的】

手指関節拘縮 ➡️ 拘縮除去用のスプリント

ポイント ⇨ 

部位や関節の硬さ(関節拘縮)の程度によって使用するスプリントが異なります。個人の症状に合わせてスプリントを作成し治療していきます。徒手ではなくスプリントで持続的に関節の動きにアプローチできる為高い効果を得る事ができます。

 

スワンネック変形(手指変形) ➡️ リングスプリント

ポイント ⇨ 

第2関節を軽く曲げた状態で保つことでスワンネック変形の進行を予防します。またスプリントを装着した状態での手指の運動は可能です。

 

【代償目的】

末梢神経損傷・絞扼性神経障害 ➡️ 代償スプリント

       正中神経麻痺

       尺骨神経麻痺

       橈骨神経麻痺

ポイント ⇨ 

手には正中神経・尺骨神経・橈骨神経の3本が通っています。それぞれの神経が圧迫・牽引・断裂など起こすと特徴的な麻痺を生じます。保存療法・手術療法などの治療と並行して手の機能をカバーする目的でスプリントを用います。

 

ご紹介したスプリントは一部です。スプリント療法の適応は多くあります。必要がある際は診察やリハビリ時に詳しく説明致します。

 

関節が固まって動かない・動きにくい方、日常生活や仕事で手の痛みに悩まされている方はご相談下さい😁

それぞれの疾患については今後のブログ更新をお待ちください📖

 

2023年04月04日